活動報告

令和3年度インターンシップ最終報告

2021年8月17日より仙台高等専門学校および東北学院大の学生を実施していたインターンシップについて、10月29日(金)に内部での最終発表会を行いました。
学生は「野菜チーム」と「道路チーム」に分かれており、それぞれ課題解決に向けて取り組んだ内容を発表いただきました。

道路チームの発表

横断歩行者補助アプリ 感謝ロード ~運転手に感謝を添えて~
学生が感じた「信号のない横断歩道で車が停まってくれず、なかなか渡れない」という課題から、信号を渡りたい歩行者をドライバーに通知するアプリケーションの開発を目指しました。

取り組み

学生の実体験や、仙台市交通局の方や宮城県警の方にヒアリングを行った結果をもとに、無信号の横断歩道付近での安全確保に関する課題解決が必要だと考え、ドライバーが横断歩道で待っている人に気付く手段として「横断歩行者補助アプリ 感謝ロード」の開発に取り組みました。
ドライバーには渡りたい歩行者がいるという通知を行うことで歩行者に気付づくよう促し、また横断歩道を渡れた歩行者からは、運転手に感謝のメッセージを送ることができる、というスマートフォンのアプリの開発を目指しました。

結果

歩行者か自動車か判別するためのデバイスの移動状態判別や、歩行者がいる場合のドライバーへの通知方法・位置情報による通知対象の判別、歩行者とドライバー間の通信方法について検討しました。最終的には歩行者とドライバー間の通信をつなぐことができました。
モックアップ画面でイメージしつつ、自分たちで考え、調べながら既存のプラットフォーム等を駆使して開発を行っていました。
また、今後アプリを社会実装するために、どのようにアプリやサービスをユーザに知ってもらい、使ってもらえるようにするか、また、通信などの技術的課題をまとめられていました。



野菜チームの発表

食べごろチェッカー ミエル~撮るだけで食べごろが見える~
学生が感じた「スーパーで野菜を選ぶ際、いろんな人が野菜の鮮度を確かめるために触っている」という課題から発展し、果物の食べ頃が分からない悩みを解決するためのシステムの開発を目指しました。

取り組み内容

学生の家族やスーパーの方へのヒアリングを行った結果、果物、特にアボカドの食べ頃が分からず、買い物に失敗したという話を聞き、外見から中身が見えず食べ頃が分かりにくい果物の熟成度が、触らずに、スマートフォンで写真を撮るだけで判別できるシステム「食べごろチェッカー ミエル」の開発に取り組みました。
さらに、食べ頃だけでなく、調理方法や保存方法も分かるようにし、買い物シーンで役立つシステム開発を目指しました。

結果 

果物名を入力し、画像を撮影し熟成度を判別させるシステムを目指し、入力された果物名をカナに自動変換し、データベースから検索する手法や、AIで画像の背景を削除する手法の検討を行いました。     また、アボカドを一例として取り上げ、食べごろのアボカドと食べごろではないアボカド画像のデータをデータ分析し機械学習を行うことで、アボカドの画像から熟成度の分析結果を出すシステムを実装することができました。
モックアップ画面を作り、そのモック画面に合わせて実際の画面を実装することでコードの書き方を覚えられるよう工夫していました。
また、将来的なシステムの実現に向けて、UIや、背景削除の精度といった技術課題と、課題を解決するためにどのような処理が必要かまとめられていました。



生徒の感想

・当初自分たちで考えていたものと実際にヒアリングして見つかった問題とは異なったので、ヒアリングの経験が出来て良かった。
・自分の思っていることを誰かに伝えるのが難しいということが分かった。
・競合を調べるのも大切なのではないかと考えた。
・経験が積めたことや、実際にアプリ開発をできたて嬉しかった。
・社会に出ても必要なハングリー精神等を学べて良かった。
・広くいろんな人と関わってものを作るので、コミュニケーションの重要さを学べた。

産学官連携委員会 副委員長斎藤氏(株式会社ねこまた)の所感

・成果物よりも過程が大事。課題としてまとめあげるのも難しい中、よく頑張った。 一つ一つ躓きながらも投げ出すことなく進んでいけたインターンシップになったと思う。
・モノを作る時には、目的と手段が逆転し、成果物を作りたいと思う気持ちの方が強くなることがある。作りたい欲求を堪えて、課題・目的を考えることが重要。
・エンジニアには、人の話を聞き、意見を吸い取ることが重要。世の中の課題と自分の思い込みで作ったものとは意外と違うことも学べたのではないか。

仙台高等専門学校 吉野先生の所感

・普段学校では自由な時間で自由に開発等をしているが、今回、自由が限られたところで納期もあるという形で必死になってやったと思う。この経験を社会に出ても活かしてほしい。
・両グループともタイムスケジュールがあいまいだった。発表に盛り込むともっと良かった。

エイチタス株式会社 原氏の所感

道路チームに対して

・課題の掘り下げ方や、単機能で課題解決出来るという策に繋がった点が良かった。
・課題を掘り下げ整理をし、改善すべき方向を見定めてから、どんな技術・機能を実装するか考える、という順番を大事に覚えてほしい。
・「感謝」という文字が入っているが、感謝を体験でき、その体験した人の習慣が変わる・行動が変わるような感謝の表し方を考えたほうが良かったのではないか。

野菜チームに対して

・地域課題として、行政などでは無く日常のスーパーに目をつけた点が良かった。
・地域の課題とは何か、という時に、「一人一人の困りごとの集合体である」という捉え方をすべき。
・仮説が定まらないうちに完全品まで作ってはいけない。モックを作成したことはよい取り組みだった。モックで他の人の感触を確かめ修正を繰り返すことで、本当に実装するものを決めていくというプロセスを大事にしてほしい。
・すべての内容を自前で用意する必要はない。レシピを検索するAPIなどを利用してもよいのではないか。

両チームに対して

・競合がある場合の対応方法として、一つは課題を捉えなおすこと、もう一つは体験を描きなおすこと。もしくは他人が真似できないような技術を使って圧倒する方法もある。
・様々な人の声を聞き、もしくは現場を見ることで、課題の解像度を上げていくことが最も重要。
・技術面では課題が多かったと思うが、壁にぶつかった時に突破したいと本当に思うか、つまり超えるべき課題・解決すべき問題だど自分で納得しているかも大切。
・今日発表するまで2か月かかったが、同じような内容にどれだけ早くたどり着けるかがこれからの頑張りどころ。調べる力と判断する力を是非磨いていってもらいたい。

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