簡単に説明すると
"Society5.0"とは、ざっくり言ってしまうと、Iot、AI、クラウドサービス、ロボットといった新しい技術を取り入れた社会です。
これまで"Society 4.0 = 情報化社会"と呼ばれていた社会の次のステージとして、日本が目指す未来として政府が定義した言葉です。
詳しく見ていきましょう。
基礎情報
国が提唱するDXのために経営者が行うべき事柄をまとめた "デジタルガバナンス・コード" をはじめ、DXの文脈でしばしば目にする単語のひとつに "Society5.0" があります。
この単語は、政府が2016年1月に発表した"科学技術基本計画"で登場した単語です。
ちなみに、"科学技術基本計画"とは、日本としての科学技術の取り組みをまとめた5か年計画の事で、1996年(平成8年)から作成が開始されました。
以下が、"科学技術基本計画"に関する内閣府のウェブサイトの説明です。
平成7年に制定された「科学技術基本法」により、政府は「科学技術基本計画」(以下基本計画という。)を策定し、長期的視野に立って体系的かつ一貫した科学技術政策を実行することとなりました。これまで、第1期(平成8~12年度)、第2期(平成13~17年度)、第3期(平成18~22年度)、第4期(平成23~27年度)、第5期(平成28年度~令和2年度)の基本計画を策定し、これらに沿って科学技術政策を推進してきています。
この記事では、"Society5.0"について、簡単にご説明いたします。
Societyとは?
"Society5.0"の詳しい説明の前に、単語の説明から。
Societyは、英語の単語で、日本語では、社会を意味します。
よって、"Society5.0"とは、"バージョン5の社会"という意味になります。
Society5.0とは
さて、本題です。
Society5.0は、"日本が目指すこれからの社会"を表現した言葉で、2016年1月に発表された"第5期科学技術基本計画"で登場しました。
Googleトレンドを見ると、2016年から関心が高まり、現在も高い関心がある事が見て取れます。
Society5.0は、内閣府のウェブサイトによると、以下のように定義されています。
サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)
狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、第5期科学技術基本計画において我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱されました。
Society 5.0は、"情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会"と定義されています。
ホームページやブログ、SNS(ソーシャルメディアとも)を通して、誰もが世界に情報発信ができるようになったインターネット業界の時代を"Web2.0"や"情報化社会"などと呼びますが、このように、インターネットは私たちの社会の当たり前のツールになりました。
一方で、近年は、従来の情報化社会ではまだ当たり前ではなかった技術が登場し、それを利用した生活が浸透し始めました。
それが、Iot、AI、クラウドサービス、ロボット等の技術です。
これらを活用した社会が"Society 5.0"です。
上述の内閣府のウェブサイトでは、Society5.0を"サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステム"と定義していましたが、仮想空間と現実空間の融合とは何を指すのでしょうか…?
少し脱線しますが、 "サイバー" とは "コンピュータの" や "インターネットの" という意味の英語で、 "フィジカル" は "物理的な" という意味の英語です。
横文字が多くて理解が進まない問題、ありますよね…。
さて、上述の内閣府のページには、次のように説明されています。
Society 5.0では、フィジカル空間のセンサーからの膨大な情報がサイバー空間に集積されます。サイバー空間では、このビッグデータを人工知能(AI)が解析し、その解析結果がフィジカル空間の人間に様々な形でフィードバックされます。今までの情報社会では、人間が情報を解析することで価値が生まれてきました。Society 5.0では、膨大なビッグデータを人間の能力を超えたAIが解析し、その結果がロボットなどを通して人間にフィードバックされることで、これまでには出来なかった新たな価値が産業や社会にもたらされることになります。
これは仕組みとしてはどういう事でしょうか?
まず、従来の情報化社会では、 "誰もが情報発信ができる社会" である一方、 "情報は自分で探しに行く必要" や "探した情報を自らが分析する必要" がありました。
"検索スキル" や "検索力" といった言葉を聞いた事がある人もいるかもしれませんが、従来の社会では、私たちは、ほしい情報は自ら探しに行く必要があり、さらに、必要に応じて加工する必要がありました。
一方で、Iot、AI、クラウドサービス等を活用する事で、 "情報をほしい人に、適切な情報を届ける" 事ができるようになります。
例えば、IoTを利用すると、 "工場で誰が何をしているか" 、 "車がどこを走っているのか" 、 "農場の気温や水分量はどのくらいか" 、さらには "どの地域の人が何を検索しているか" といった物理的な情報を取得できます。
それらの情報はインターネットを介し、クラウドに保存されます。
そして、集積された膨大なデータ(ビッグデータ)はAIによって分析されます。
最終的にそれらの分析結果は、必要な方々に配信されます。
このようなサービスは有料・無料含め、既にたくさんのサービスが存在します。
"情報を必要な人に届ける" という例で、分かりやすいものとしては "最寄りのスーパーに近づいたらそのスーパーのクーポンを配信する" といったサービスが挙げられます。
これはあくまで一例ですが、このように、Iot、AI、クラウドサービス、ロボット等を活用し、人間だけではできなかった事を実現した、新しい便利な社会が、"Society 5.0"です。
"Society 5.0"では、私たちの社会が便利になることはもちろん、経済の発展や、社会課題の解決への貢献といった側面でも期待されています。
さらには、ブロックチェーンを活用した経済活動、企業活動、そしてそれらの基盤も"Society 5.0"に組み込まれていくのではないでしょうか。
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